訳詞・陳五郎
Well I once could have married
the king's third son
And a fine young man was he
But now I'm married to a house carpenter
And a nice young man was he
But will you for sake your house carpenter
And a-go along with me?
I will take you to where
the grass grows green
On the banks of the River Dee
But will you have to maintain me a-bind
To keep me in silvery
Well I have seven ships
they will soon be at hand
And they at your command shall be
She took her two babes by the hand
And gave them kisses three
Said, Stay at home you darling little babes
Keep your father sweet company
Now she dressed herself in her very best
Like a high born lady was she
She shivered she shivered
and she proudly stepped
As they walked by the banks of the sea
Well they hadn't been gone
but a short, short time
Until she wept for her sire
I would give all the gold in this round world
Just to see my babes once more
Well if you had all the gold
and the silver too
That ever did cross the sea
You never would be at land any more
And you babes you will never more see
Well they hadn't been sailing
but a short, short time
About two weeks three or four
When the ship sprang a leak
and they were doomed
And they were far away from the shore
I see bright hills of Heaven, my dear
Where angels come and go
I see bright hills that's Hell, my dear
Where you and I must go
Oh, I wish I was back to my house carpenter
I'm sure he would treat me well
For here I am in the ranging sea
And my soul is bound for Hell
そう、わたしには、その気さえあれば
王家の三男との縁談もありました
その人はとても立派な若者でした
けれど今、私は大工と結婚しています
そして、その人も素敵な若者でした
しかし、「君の大工を棄てて
私と一緒に行かないか?」
「連れて行ってあげよう
緑の草が生い茂る
ディー河のほとりへ」
でも、あなた、わたしをいつまでも美しく
輝いたままでいさせてくださいますの?
わたしは、船を七艘持っております
いつでも用意できますわ
あなたが好きなようにお使いくださいな
彼女は二人の幼な児をその手に抱き
三度口づけをしてこう言った
いい子ねお家に居るのよ
お父様と仲良く暮らすのよ
彼女は、いちばん良い服で着飾った
貴婦人のように
彼女は震えた、震えた
そして誇らしく踏み出した
二人は海辺へと歩いて行ったが
そう、ふたりでいたのは
つかの間のことだった
父に聞こえるまで彼女は泣いた
この世界中の黄金をすべてあげてもいい
わたしの子供たちにもう一度会えるのなら
「もしおまえが黄金や
そして銀も
海を超えるほど手にしたなら
おまえは二度と陸には上がるまい
そして子供にも二度と会わぬだろう」
二人が航海をしたのは
つかの間のことだった
2週間か、あるいは3,4週
船体に穴があき
ふたりの命運が尽きた
彼らは岸から遠く離れてしまっていた
天国の丘が輝いて見える、愛しい人
そこは天使が行き交う場所
地獄の丘の燃えるのが見える、愛しい人
そこが、わたしたちの行き着くところ
おお、帰りたい、わたしの大工の許へ
きっと彼はわたしをやさしく癒してくれる
この荒れ狂う海のなか
わたしの魂は地獄へと落ちて行く
ワンス・アイ・ハド…とともに収められたペンタングルの「バスケット・オブ・ライト」という69年発表のアルバムのライナー・ノーツによると、この歌はアメリカの開拓移民の女たちによって愛唱されたものだという。
親歌は、「ハリー・ジェイムス」というブリティッシュ・バラッド。本国では男の愛唱歌。水夫ハリー・ジェイムスが、結婚の約束を交わした恋人を残し航海にでたが、さまざまな苦難に出遭うという話。女は、恋人の帰りを待っていたが、あまりににも長く消息がわからないので、ついに待ちきれず他の男と結婚してしまう。相手の男は家大工であった。やがて子供もできるが、そんな折、ハリーが霊となって帰ってくる。自分との結婚の約束を守れなかった女に怒り狂ったハリーの霊は、彼女を海の底へと引きずり込んでしまうという物語になっている。
(2004年3月11日みゅーず掲示板より)
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